2013年8月11日日曜日

希望への挑戦

シャントの時と同じフロアでの入院となった妻に「昼夜逆転」の症状が出始めた。

そのため、寝る時にはパジャマの衿にセンサークリップが付けられた。

私が帰るときには「寝たふり」をして私を安心させようとするのだが、妻の視界から私が消えると、むくっと起き上がりベッドから降りようとするのだ。

彼女の心の中には、当たり前だが、まだ「家に帰らなくては」との気持が強く残っている。

当然の如く私は「元気になったら帰れるからね、先生がいいよって言うまでもう少しここで病気を治そうね」と言うしかなかった。それでも「帰らなくては」の気持はそう簡単になくなるものではない。

そこで私は帰るときに「これからちょっと会社に行って来るね。忙しくて徹夜になるかもしれないから先に寝ていてね」と言って病室を後にすることにした。これが、それからの日課になった。

妻にすれば家に帰らなくても、この部屋で待っていれば私が会社から妻の元へ「毎日帰って来る」のである。

脳出血は早ければ3ヶ月で退院できると親戚から聞いていたが、脳外科の医師の診断では治ることはないがゆるやかに症状が進んでいくので、それをどれだけ遅くするかだと言われた。緊急入院した時の病院で一時的にではあるが簡単なリハビリをやってくれたが、あくまでも「一応リハビリもやりました」程度で素人の私が見ても「こんなものか」と言える程度のものだった。

それから私の「希望への挑戦リハビリ」が始まった。

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